プロが注目するデザイナー不明のアール・デコランプ
これまで大阪淀屋橋の歴史的な近代建築として、石原ビルディングと伏見ビルを紹介しました。
同じ淀屋橋に芝川ビルという近代建築があります。
地下1F、地上4F建ての建物で、建てられたのは伏見ビルと石原ビルディングの間くらいの時期です。
その4階フロアが屋上テラスになっていて、現在芝川ビルモダンテラスという名前の貸しスペースとして様々なイベントが開催されています。
当時のデザインが継承されたアール・デコスタイルのオリジナルランプ
今から6年前このスペースを借りてFLOSの照明の新作展示会をしました。
屋外のテラスには当時発表したばかりのoutdoor照明を展示し、indoor用の新作は室内で展示し、少し寒かったですがテラスでレセプションしたことを昨日のように覚えています。
エレベーターはないので1階から階段で上がっていくのですが、その階段天井と上がりきった入り口前の天井に竣工当時のデザインを維持したデザイナー不明のアール・デコスタイルの照明が2点付いています。
真鍮と乳白ガラスで構成された美しい照明で、デザイナー不明ですが建物に見事な調和したハイレベルなデザインの照明です。
当然100年前のオリジナルがそのまま残っているわけはなく、数十年程前にオリジナルに忠実に再現されたレプリカです。
レプリカではありますが非常に精巧で保存状態も良く、会期中時間が空いた時は何度も見惚れていました。
建物の雰囲気とぴったり調和した素晴らしいオリジナルデザイン
昨年夜間拝観したフランクロイドライト建築のヨドコウ迎賓館にも多数のオリジナル照明が使用されていました。
当時は既製品が今ほど充実していなかったので、オリジナル照明をデザインするのはごく普通の作業だったのでしょう。
そのおかげで現在でもこのような素晴らしい照明を見ることができるのは本当にありがたいことです。
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