建築好きの名建築訪問、神戸の近代建築・海岸ビル
本日、神戸の商船三井ビルディングの5階に入っているスカンジナビアンリビングのショールームを訪問しました。
この商船三井ビルディングの西向かいに同じ古い近代建築の海岸ビルがあります。
スカンジナビアンリビングのショールームに行くと、窓越しに必ず海岸ビルの威容に瞠目します。
この景色は完璧に日本の風景ではなく、まるで19世紀末のヨーロッパやニューヨークの光景です。
そしてどのようにして建ててるのか不思議なのが、4階までは明らかに古い近代建築なのですが、その上に15階建ての普通の現代ビルが乗っかっているような歪な建築物なのです。
この点が引っかかって遂にWikipediaで調べると、元々1918年に河合浩蔵によって設計された近代建築が、阪神大震災によって全壊認定となり、建て替えることになった際、1階から4階の外壁部分を保存し、15階建ての何の変哲もないビルを同じ敷地に建て、1階から4階までの周囲を保存していた外壁で覆ったので、このような不思議な外観になったということが分かりました。



阪神大震災で全壊認定された大正時代の近代建築の外壁を再利用した不思議な外観
予備知識がない状態でこのビルを眺めると、文化的価値の高い古い近代建築の上に何の変哲もない普通のビルが乗っかっているように見えて、滅茶苦茶するなあ〜、こんなことをする意図が理解できないとずっと考えていました、無知とは恐ろしいものです。
実は全壊認定された古いビルの外壁を再利用して現代に蘇らせた素晴らしい試みの産物だったことを知り、自らの無知さに恥いってしまいました。
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