プロが注目するYAMAGIWAのRevola
先日神戸を拠点にしているプロダクトデザイナー中谷行義さんのスタジオにお邪魔し、一時ヤマギワから発売されていた名作Revolaについてお話しを聴いてきました。
昔ヤマギワの協力メーカーで輸入照明の窓口をしていた頃、Revola用のスイッチ周辺パーツをイタリアから仕入れていた関係でRevolaのことをある程度知っていました。
ヒートシンクがデザインの一部に活用されているアルミダイキャスト製ヘッドが特徴のこの照明は、当時のヤマギワ照明が年間100台売れたら売れ筋商品と考えられていた時に、フロアスタンドとテーブルスタンドの2種類だけで合計2000台近くも売り上げ続けたという凄い照明なのです。
その凄い照明をデザインした中谷さんと直にお話しできるのだから光栄の至でした。
部品の共通化と部品点数の最小化によって長年低コストを実現していた優れた工業デザインの照明
おそらくこの照明がヤマギワのカタログから消えたのは2010年頃だったと思います。
発表年が1982年なので、30年近くもコンスタントに年間2000台前後も売り上げ続けていたわけです(ヤマギワのカタログから消えた理由は、おそらくヤマギワのテイストに合わなくなったから、というようなしょうもない理由だったと思います)。
何故この照明がこれほどまでに売れ続けたのか、それはおそらく機能美を追求した飽きのこないシンプルな工業デザインと、徹底的に部品の共通化と部品点数の最小化を図った無理のない低コスト化にあると思います。
ヤマギワの主力輸入照明が大体100,000円から200,000万円くらいしていて、しかも毎年のように年一で値上げを繰り返していたのを尻目に、Revolaは30年近くの間ずっと、テーブルスタンドで18,000円、そして国産スタンドとしては異例の180cmもの高さのボリューム感のあるフロアスタンドで25,000円ほどの低価格を維持し続けていたのです。
デザイン上の最大の特徴であるヒートシンク形状のアルミダイキャスト製のヘッドはどのタイプも同じ形・大きさで共通です。
因みにヘッドにはヤマギワの看板商品である高級屋外用照明メーカードイツBEGA社の製品と同じダークグレーの粉体粒出し塗装が施されています。
そしてヘッド以外の部品は入手性の容易な普遍性の高いパーツを最小点数で組み上げており、長年の低コスト化に貢献しています。
この辺りの工業デザインのプロセスはイタリアの巨匠アッキーレ・カスティリオーニと同じデザイン哲学を感じました。
無駄を削ぎ落とすことで完成した秀逸な工業デザイン
かなり以前から、日本人デザイナーによる数々の優秀なデザインのプロダクトを目にする機会は多々ありましたが、ここまで無駄を削ぎ落とすことでデザインの完成度を上げた日本発のプロダクトはそうはないかと思います
中谷さんはこのRevola以外にも様々な素晴らしいデザインを世に出していますので、ご興味ある方は以下のアーカイブをご参照ください→https://www.studio-nakatani.com/pages/works.html
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