プロが注目するデザインアイテム照明編101/吹き抜け天井につける照明を選定する際の注意点

FLOS TARAXACUM88S Achille Castiglioni 吹き抜け用照明

吹き抜けにつける照明を選定する際の注意点

昔からよく吹き抜けにつける照明の選定や、取り付けの依頼を受けることがあります。

普通の天井高の場合と違って、器具を選定して取り付け、後々のメンテナンスのことを考えると吹き抜け用はクリアする必要のある条件が多々あります。

吹き抜け天井につける照明を選定する際の注意点をまとめてみました。

1.軽量で構造がシンプルであること

よく掃除ができないと言われるので、後々のメンテナンスを考えると照明は比較的軽量で構造がシンプルであることが好ましいです。

高所での作業になるので、短時間で済むように気をつける必要があります。

2.電球交換が容易な構造と取り付け高さであること

電球交換も避けては通れない点です。

よく「LED電球の普及で電球交換の必要なし」という意見を聞きますが、LED電球といえどもメーカーの作りムラなどがあり、電球交換のことは考えておく必要があります。

これも高所の作業になりますので、容易に電球交換ができる構造であること、また、長脚立で届くくらいの器具高さ位置であることが望ましいです。

電球交換の度に足場を組むなんて現実不可能なので!

3.電源の修理・交換が可能なように2階付近の廊下に点検孔を設けておくこと

LEDの器具でよくある構造ですが、LED電源(ドライバー)が器具のフランジカバー内に内蔵されているものが多いです。

このような器具でLED電源が故障し、交換する必要が生じた場合、脚立では対応不可能で、絶対足場が必要になってきます。

ですが足場を設置してプロに交換してもらう、または一旦器具を外してメーカーに修理依頼を頼むと数十万円もの高額費用が発生します。

このようなことを事前に防ぐため、LED電源は別置きにして、フランジカバー取り付け位置付近の廊下あたりに点検孔を設け、その点検孔付近にLED電源を移動させておくと、後々の負担が軽減されます。

4.昇降装置を設置しておく

事前に電動で動く昇降装置を天井に設置しておくと、上記の問題は全て一挙に解決するので、事前に相談を受けた場合はいつもお勧めしています。

ですが昇降装置の設置には様々な問題があります。

まずいつまでメーカーが家庭向けの昇降装置の生産を継続してくれるか怪しいこと、器具重量が限られていること(おそらく10kgが限度?)、天井の見た目が損なわれること、等です。

ですので昇降装置がなくても、ある程度クリアできるよう工夫して照明を選定することが必要と思います。

後々のことを考えた照明の選定が重要

吹き抜け天井に何もつけず、壁やニッチに間接光を仕込んで吹き抜け空間の明るさを確保するシンプルな構造の住宅の場合は、このようなことを考える必要はないのですが、豪華な照明をご希望する方はかなりいらっしゃいます。

ですが上記の点を考えずにデザインや好みだけで吹き抜け天井に取り付ける照明を選定されると、かなり高い確率でお困りになるのは間違いありません。

もちろん電球交換、修理交換、メンテナンスの度に足場を組んで数十万円の費用を払っても、痛くも痒くもないスーパーリッチな方なら何の問題もありません。

おそらくそのような方は数えるほどしかいない(車や洋服に数千万かける人でも、このようなことは渋る人は案外多い?)と思いますので、吹き抜け天井用の照明を選定する際に、ご参考にしていただけたらと思います。

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